95歳で脳梗塞で他界することになりました。 いくら頑張っても、普通の人間であれば、そこら辺が限界でしょう。健康診断の結果を整理してみても血圧は徐々に上がっているようだし、肝機能も徐々に悪化しているようだ。単純に規則正しい、運動充分な生活をしていれば健康寿命が維持されるものでもないらしい。最近頭のサイズが長くなっているようで皮膚の弾力もなくなってきているのが気になってならない。心なしか足の重心もフラツキが目立って来ていような気がしてならない。着実な老化が実践出来ていることはいいことなのか。こんな調子が続いていることをプロットしてみると行くつく先が95歳なのだろう。 厚生労働省は、介護を受けたり寝たきりになったりせず日常生活を送れる期間を示す「健康寿命」が、2016年は男性72.14歳、女性74.79歳だったと公表した。前回(13年時点)と比べ男性が0.95歳、女性は0.58歳延びている。平均寿命と健康寿命との差も男女とも縮小し、16年の差は男性8.84年、女性12.35年。13年と比べると男性0.18年、女性0.05年改善している。食生活の改善などが寄与していると分析されており、要介護の原因となる脳血管疾患の患者が、生活習慣の改善で減っており、高齢者の社会参加の場が広がっていることも健康寿命の延びにつながっているとみている。 健康寿命が一番長寿なのは都道府県別にみると静岡県だそうだ。女性は1番、男性は愛知県に次いで2番になっている。 静岡県民はなぜ健康長寿なのか。静岡県の総合健康センターでは、健康でより長く生きるための支援方法を研究するため、「高齢者コホート」と銘打った大規模な生活実態調査を行なって、何年後に介護状態になったのかなどを追跡調査している。この結果から推測すると、運動、栄養、休養、社会活動が健康長寿の柱になっているという。 運動要因:週5日、30分以上歩く、栄養要因:肉・魚・大豆製品・卵などバランスの取れた食材を1日に3回以上食べている、社会参加要因:町内の作業やボランティア活動に週2回以上取り組む、などの要素を満たした人は、寝たきりなどにならず、生活の質が高いまま長く健康でいられる傾向があると分析されています。 例えば「地場の食材」の豊富さでは、静岡県が全国1位で、農水産物の生産品目数も多い。これは「栄養」をバランスよく摂取するうえで有利な条件といえる。しかも、「飲酒習慣者」の割合は全国で2番目に低く、肥満者の割合も全国で5番目に低い。1日に歩く平均歩数も男性が10位、女性では5位と上位につけている。 もうひとつ、静岡県で忘れてならないのが「お茶」である。緑茶に含まれるカテキンという成分が悪玉コレステロールを減少させることなど、お茶の健康効果についてはさまざまな研究報告があります。静岡県はお茶の産地で、県民が全国平均の2倍のお茶を飲んでいるというデータもあるので健康寿命にも関係しているのでしょう。 残念な結果が出ているのが男性最下位の青森県と最下位から2番目の高知県です。とくに青森県は、平均寿命でも男女ともに全国最下位である。 この理由も、また生活習慣にあるようです。青森県は習慣的な喫煙者の割合も、習慣的に飲酒する人の割合も全国1位。また、男性の肥満の割合も高く、歩く歩数が少ない、野菜摂取量が少ないといったデータもあるようです。 長野県は、平均寿命が男性は80.88歳、女性は87.18歳で、男女ともに全国1位となっている(2010年調査)。同県の男性では、1990年からずっと平均寿命の全国1位を重ねています。 信州人の健康長寿の要因は、「健康に対する関心が高い」ことや、「就業意欲が高くボランティア活動にも積極的で、暮らしに生きがいをもっている」ことだそうだ。 長野県では、男性の高齢者の就業率が高い。就業率は男性が74.2%で5位、女性が53.0%で4位だが、65歳以上に限ると、男性が41.5%で1位(いずれも2007年)だった。 研究チームは、厚労省が統計をとりはじめた1920年代までさかのぼって統計資料を分析しました。その結果、1921年以降も、県の平均寿命は上位で推移していることが分かった。結核死亡率と乳児死亡率が低く、保健水準の相対レベルが高かったことが示されている。 大正末期から昭和初期にかけての長野県の食生活をみると、「魚、みそなどの大豆食品、野菜、イナゴなどの昆虫食といったさまざまな食材からタンパク質をとっていた。みそ、しょうゆ、豆腐、凍り豆腐などの大豆製品も自宅で作っていた」という。 高度経済成長期には県の平均寿命はいったん低下しました。原因のひとつは脳血管疾患の死亡率の高さだった。そこで県は1945年に「保健補導員活動」を開始して、 昭和30〜40年代には脳卒中に対策しようと、保健師や保健補導員によって食事の塩分濃度測定や冬期室温測定、一部屋温室運動などの活動が展開されました。食生活改善推進員は、家族の健康管理から、近隣、地域住民へと食生活改善を中心に健康づくりのための実践活動の輪を広げ、食からのボランティア活動を行っています。減塩などの地域ぐるみの食生活改善運動が長寿につながっています。 男性の習慣喫煙率も全国で44位と際立って低い。禁煙運動が高度成長期の初期から伊那市で始まり、全県に広がったことなども健康長寿に影響している。 研究チームは「高い学校教育の普及率がもたらす、栄養に対しての知識や工夫が寄与した。積極的な社会活動参加により生きがいを持って暮らしている」との推論をまとめている。 高齢化の進展によって、地域における共助の取組などのソーシャルキャピタルの強化が平均寿命の延伸になると説明しています。 私がお付き合いさせていただいている高齢期を迎えた諸氏には、都会近くであっても地域活動に熱心に取り組んでいる方が多いようです。一方で、一大決心をして地方に転居して農業で自然に親しみ、地域のスポーツ活動に参加してアクティブな生活に切り替えて方もいます。いずれであっても目的を持った生活ではあるが成果を求めない生活が良いようです。 |