定年退職した時はほっとしました。卒なく事故も少く過ごしたので、一応家族への努めを果たしたし、共生社会の発展にもある程度の貢献もできたとの思いもありました。これからの老後の生涯は永くはないが幸いに健康であるし、元気でした。これからの余生を計画的に、思うがままに過ごしたいが、いつ終焉が来るとも分からない。それで始めたのがデジタルアーカイブでした。日々の己の記録に残せば、反省もでき、あるいは立て直しもできるのではないかと思われました。日記を書くのも良いでしょう、行動記録を残すため、己の主張を述べるためのSNS(ブロッグ、ツイッター)も良いでしょう。もっと詳細に記録を残したければホームページを作るのも良いでしょう、いずれであってもアルバム帳に写真で残すのは時代遅れと言わねばなりません。 10月1日は例年からすると何か良からぬことがあるのではと予感がしていたが、ホームページ消去の連絡がきて本当にびっくりしてしまった。使っていたのはyahoo!ジオシティーズです。オンラインで編集ができFTPを使わずともアップロードが出来て使い勝手が良かったのですが残念としか言いようがない。6ケ月後の3月31日をもって消去しますとメール連絡があっただけで、取り付くこともできない。 そもそもホームページつくりを始めたのは老後の生活の記録を生活の目標として頑張ってきたので残念としか言いようがない。ホームページは電子媒体に記録された著作物であり、著作権があるから永久に残るものであり消去されることはないと決めつけており、またそのように信じてもいました。しかし現在の社会的扱いは電子通信事業の一環であり、事業が継続できなくなった場合の消費者(クライアント)の権利を保護する規制はありません。既に2004年に総務省から「電気通信法の消費者保護に関するガイドライン」が発行されていました。これによると撤退してホームページなどの消去を行うときには、事業の規模にもよりますが1ケ月から9ケ月前に通告し、出来ればデータ移転の方法等を案内した方が良いと書かれている。データを保護しなければならないとは書いてない。今はやりのクラウドサーバのサービスも契約書にもよるようですが、撤退してはいけないことにはなっていないようでした。では個人情報保護の観点からはどう扱われているかというと、そもそもホームページは公開することが原則ですから、消去してはいけないとは書いていないし、むしろ消去したくてもできないで困っているケースの方が多いようです。また著作権の観点からみると、ホームページのどこが著作権になるか、無料で公開されている著作物に著作権は認められていません。しいて言えばデザインを盗用することで問題なるケースがあるようです。ホームページのデザインはほとんどが類似していることから、規制することで争いになったケースは少ないようです。 このように概観してみると、ホームページ作成を始めた時の認識が欠けていたことを痛感し、自分の大事な記録を残したいと思うならば、移転するか作り直しするしかないと理解されました。そして再生したとしても、いつまた消去されないという保証はなく、確実に言えることは、多くの有料のホームページサーバでは一定期間に追記、改定が行われなければ消去されると管理規定になっていました。さらに確実に言えることはホームページの所有者が何時か生涯を閉じれば、生きた証として残されたホームページは、やがては終焉となることです。 10月1日に廃業の通告を受けてからホームページの移転に集中し根気よく続けました。でも期限のある移転作業を始めてみると集中しなければならず、活動的瞑想をしている感覚で記憶力が増し、意識もはっきりしてきたように思っています。一つは10年以上も前からのホームページを再現させることでたくさんの生活の記録がよみがえったこと、もう一つは移転の手段を如何に改良するかで情報システムを勉強しなおしたこと、さらには集中して移転作業することで生活の目標出来たことです。まったくマイナスにしないことが肝要なようで、3月末の期限までに移転は完了しました。移転先はクラウド型高速レンタルサーバですが、1年毎の契約更新、即ち生存確認が必要になっています。 |