料理には科学知識が必要です。作っていて何故失敗したかを考えると、意外と勉強不足のために準備不足で有ったことが分かることが有ります。味がうまくないだけでなく、時間がかかりすぎたり、香り付けが上手く行かなかったり、火の通りが悪かったりと言ったことが有ります。レシピを読んでも、そのまま作るの出なく、何故このような作り方をするのかと、一応のレビューをするのがコツのようです。そこには意外と経験に基づいた科学的知識と、裏技と言われる技巧が有るようです。これらをリサーチしてみました。 |
マヨネーズの作り方:マヨネーズの作り方には順番が有るようです。マヨネーズは酢と卵の黄身と油を混ぜ合せた調味料ですが、最初に黄身と油を混ぜ合わせてから酢を入れます。これは黄身には界面活性剤としての"レシチン"が含まれていますので、まずは油と黄身を混ぜないと黄身が油に溶け込まないようです。さらに酢を入れるので保存のきく調味料になります。 |
ホワイトソースの作り方:ホワイトソース―は鍋に火をかけて、バターを溶かし入れ、振るった小麦粉をバターに馴染ませます。小麦粉を炒める感じで熱します。つぎに牛乳を流し入れ混ぜ合わせます。ホワイトソースを泡立てるにはコツが有るようです。ホワイトソースを泡だてるには、元が牛乳ですので、掻きまわし続ければ泡立ってきますが、ジャムを少しいれると界面活性剤として"レクチン"があるのでより効率的に泡立ちます。 |
天麩羅のころもの作り方:天麩羅のころもに使う小麦粉は"グルテン"の多い順に、強力粉、中力粉、薄力粉の3種がありますが、天麩羅には薄力粉を使います。次にグルテンは温度が高くなるとたくさん作られるので直前まで水も含めて冷やしておく。裏技になるがグルテンはアルコールに溶けるので水でなく冷たいビール、発泡酒、第3のビールなどを使うとグルテンの生成が抑制され、さらに発泡性炭酸ガスで気泡ができるので、天麩羅のころもがサクッ(ベチャとならない。)と揚がります。またグルテンは時間の経過とともに増えるので、ころもは作り置きしないのがコツのようです。 |
もやし炒めの作り方:シャキシャキ感がたまらないもやし炒めは、炒める前に油を少し入れた熱湯で事前に茹でます。もやしは組織がやわらかく90%が水分なので炒め過ぎると細胞を覆う半透膜やその外側の細胞膜が壊れ水分が出てしまいます。調理のコツは高温で一気に加熱ですが、家庭の火力は料理店より小さいので表面積の大きいもやしは熱され方にむらができ、均等に火を通すのは難しい。それで事前に20秒ほど茹でると全体に短時間で熱が通ります。油を少し入れるのは沸点を上げる効果があります。中華料理では野菜を炒める前に「油通し」をするのは同じ理由からです。 |
茶碗蒸しの作り方:茶碗蒸しは最初から蓋をして蒸します。卵の蛋白質の凝固温度は約60℃ですので“す”を防ぐにはゆっくり温度を上げてゆくためには、蓋をして100℃に近い高温の蒸気が直接、卵液に当たらないようにする必要があります。蓋がなければラップでもアルミフォイルでも同じような効果が有ります。 |
野菜の色良くたもつ方法:野菜や果物を切ると"ポリフェノールオキシターゼ"という酵素がでますので、この酵素が野菜やくだものに含まれる"ポリフェノール"などの色素成分と反応すると褐色になります。 ・ごぼう、れんこん、なす等は酢または酢水につけて酸性にして酵素の働きを低下させると良いようです。 ・リンゴや桃などは食塩水につけて塩の効果で酵素の働きを防ぐと良いようです。 ・ブロッコリーやホウレンソウ等の青菜は熱湯に塩を加えさっと短時間でゆでると、青菜の色素成分の"クロロフィル"の変質を防ぐ効果が有るようです。 ・じゃがいもやさつま芋については、水に良くさらすだけで"ポリフェノール"が流れてしまうようです。 |
加熱すると甘くなるもの:人参は加熱すると甘みが増します。これは熱が加わると細胞壁がこわれ、閉じ込められていた糖分が細胞から飛び出します。でもカロリーはアップしないようです。玉葱は加熱すると含まれている辛み成分"硫化アリル"が加熱されることで砂糖の50倍もの甘みが有る"プロピリメルカプタン"に変化するためですが、カロリーはアップしないようです。 |
牡蛎の生食用と加熱用の違い:生食用も加熱用も鮮度に違いは有りません。厚生労働省の基準に基づき区分されており、生食用の牡蛎は体内に溜まっている雑菌を全て吐き出させるように入念な滅菌処理が施されています。加熱用の牡蛎は滅菌処理がされていませんので、良く洗う、加熱するといった処理が必要になります。しかし、生食用は滅菌処理によりうまみ成分も減りますので、牡蛎フライに加熱用の方が適すると言えます。 |